最近よく見聞きする仮想通貨という言葉
最近は一般向けのテレビや新聞などのニュースでも、仮想(暗号)通貨とかビットコインなどの言葉を見聞きする機会が増えてきました。
2018年3月19・20日に開催されたG20の会議でも、仮想通貨に関する規制についてが議題に上ったほどです。
ビットコインや一部のアルトコインの存在は広く知られていますが、仕組みや特徴をきちんと理解している人は多くありません。
ビットコインは既存の電子マネーと同じようなもの、と考えている人も少なくありません。
仮想(暗号)通貨とは、日本円や米ドルなどの法定通貨やICカードにチャージしてショッピングをしたり電車に乗れる既存の電子マネーとは全く異なる性質を持つ“通貨”です。
システムを運用するためのプログラムに暗号化技術が応用されているため、海外では一般的にcryptocurrency(暗号通貨)と呼ばれています。
日本では現金が存在しないので“仮想”と呼ばれていますが、“暗号”の方がより正確な表現であるといえます。
仮想通貨の特徴
ビットコインなどの仮想通貨の特徴として、一般向けのテレビのニュースや新聞記事などでは、インターネットのみで電子的に取引されるので紙幣や硬貨などの現金・証書が存在しない・価格変動が非常に激しい・管理者が不在で価値の裏付けが存在しないこと、などが指摘されています。
仮想通貨は現金が存在せずに管理者不在であることから、日本円などの法定通貨や既存の電子マネーと比較して信用ができないという印象が持たれることがあります。
実は現金が存在せずにインターネット上でのみ取引が行われる事と管理者が不在であることは、既存の法定通貨や電子マネーよりも信用ができる理由のひとつなのです。
ビットコインやアルトコインは現金や証書が存在せず、口座残高はインターネット上のデータとして管理されます。
電子データの形で残高や送金取引情報が管理されることは既存の銀行口座や電子マネーも同じですが、記録の保管や管理方法に大きな違いがあります。
銀行口座や電子マネーは銀行や運営会社が所有する1台のホストコンピュータで管理が行われます。
銀行や運営会社の職員がホストコンピュータの記録を不正に操作すればお金を着服することが可能で、実際に銀行の横領事件のニュースを見聞きすることがあります。
マイニングに参加する人のコンピュータ内で同一の帳簿(ブロックチェーン)が共有・管理
これに対して暗号通貨のデータは暗号化処理が施された上で、マイニングと呼ばれる作業に参加する人のコンピュータ内で同一の帳簿(ブロックチェーン)が共有・管理されています。
各コンピュータのプログラムはインターネットを通してデータの照合を行い、不正行為が行われていないかどうかが常にチェックされます。
そのため個人や組織が不正にデータを改竄しても他のコンピュータに“発見”され、不正に書き換えられたデータは排除されてしまいます。
このような仕組みがあることから不正行為をすることが原理的に不可能で、ブロックチェーンのセキュリティを破ることは銀行のコンピュータをハッキングするよりも遥かに難易度が高いです。
紙幣が存在せずにインターネット上で口座の記録が無数のコンピュータで安全に分散管理されているため、データが失われる心配がありません。
復元フレーズをメモするか記憶しておけば、通帳や印鑑がなくてもいつでも自分の資産を安全に保管・出金することが可能です。
仮想通貨の信用はコンピュータのプログラムによって分散管理されている
一般的に法定通貨や電子マネーは通貨の新規発行や偽造防止対策、利用者の残高情報などは特定の組織や個人により一元管理されます。
従来型の法定通貨に対する価値はその国の政府・中央銀行など、特定の人間に対する信用に依存します。
もしも経済政策が失敗して政府や中央銀行の信用が損なわれてしまうと、お金の価値や信用も失われてしまいます。
法定通貨の価値は最終的に人間の信用に依存するので、既存の金融システムは国際決済銀行を頂点とする中央集権的な階層構造が存在します。
これに対して仮想通貨の信用は特定の個人や組織には依存しておらず、コンピュータのプログラムによって分散管理されています。
プログラムの内容は公開されているので、誰も不正行為ができません。
ビットコインや多くのアルトコインは管理者が不要
自由主義国では三権分立で政府の権限が分散されていますが、仮想通貨の世界でも不正防止のために信用が分散管理されています。
特定の組織や人間の信用に依存していない故にビットコインや多くのアルトコインは管理者が不要で、既存の法定通貨よりも安全であると言えます。
法定通貨は中央銀行が発行する債券証書で交換価値が保証されているのに対して、ビットコインや多くのアルトコインは価値の根拠が存在しないことが指摘されることがあります。
建前上、法定通貨は発行元の中央銀行が金・外貨・外債などとの交換を保証しています。
ただし法定通貨は信用創造によりいくらでも発行することが可能で、発行上限額は存在しません。
そのため発行済みの残高と比較すれば、実際に中央銀行が保有する資産額はごく一部に過ぎません。
これに対して仮想通貨は価値の裏付けが存在しませんが、プログラムによって通貨の発行ペースや総発行残高が制限されていて人為的に操作されることがない点で安全であると言えます。
CCらぼ-ビットコインや仮想通貨、仮想通貨取引所の初心者向けメディアより一部抜粋